俳句を通じて世界をつなぐ
俳句は日本だけでなく,世界の多くの国や地域で詠まれています。
国内外の俳句交流の窓口として,国際的な俳句大会やシンポジウムを開催したり,機関誌『HI』を年に6回発行したりしています。機関誌は国内外の会員,および外務省を通して在外公館に配布されています。
裏方として世界中の人と人を結びつけて,俳句の世界が広がっていくのが,この仕事の魅力的なところです。
他の国の人の俳句を知ることで,お互いの文化への理解が深まり,世界を平和にすることにつながっていくのではないかと思います。
世界中で詠まれる俳句
国や地域によって,それぞれ気候は違いますし,四季がはっきりしない国もあります。しかし,どんな国や地域にも小さな風景の変化があり,日常生活があります。自分が目にしたその瞬間を詠むのが俳句なのです。
『アンクル・トムの子供たち』,『ブラックボーイ』などの作品で知られる20世紀のアメリカ
の黒人作家リチャード・ライトは,晩年,俳句に夢中になり,4000句以上の俳句を詠み,句集も出版しました。彼の俳句を日本語に翻訳すると,季語がないものもあります。ライトは俳句には季語が必要ということはもちろん知っていましたが,季節感よりも大切なものの存在感や即物性に興味を持ったのではないかと言われています。
カーテンの脇から,世界史をのぞく
2015年,オランダ語俳句作家で,前欧州理事会議長のヘルマン・ファン・ロンパイ氏を日本に招聘し,会員との交流の場作りに奔走しました。当会の活動を日本政府も認めてくれて,岸田外務大臣からファン・ロンパイ氏へ「日EU俳句交流大使」の委嘱が実現しました。カーテンの脇から,世界史をのぞいている気分でした。このように歴史の現場に裏方として立ち会えるのは面白いですね。
この仕事を選んだ理由や大切にしていることを教えて!
私は元々,アメリカの新聞社の日本支社で働きながら,俳句結社で俳句を楽しんでいました。結社の先生が国際俳句交流協会の副会長をしておられ,「海外から俳人を招くので,事務方を手伝ってほしい」といわれたのが,この仕事をはじめたきっかけです。
小学生のころに好きだったことを教えて!
- ◆わくわくしたこと:ドッジボール,図書館の本を読みあさる
- ○得意だったこと:作文,絵を描くこと
- ★好きだった教科:社会,国語